目先の仕事やキャリアの積み上げではキャリアの悩みは永遠に解決できない

キャリアドクターの野津です。

 

10月になってもまだまだ暑い日が続いています。

体調管理とキャリア管理は欠かせないようにしましょう。

 

この間、20年も音信不通だった大学時代の友人から突然のメールが

ありました。

 

彼は20年フランスに滞在し、日系企業を転々と転職してきましたが、

リーマンショック以降じり貧となり、とうとう自分がいた会社も

買収されてリストラにあったということだそうです。

 

たまたま同窓会で、彼の大学時代の後輩に私が「これからの

時代は会社や国に頼るキャリアではなくて、自分が社会に

何ができるかという自律的なキャリアに代えていかないと

いけない」という話をしたことをその友人にメールしたことで

私の名前を検索してホームページからメールがあったものです。

 

突然の知らせに、とてもうれしいと同時に彼が現在おかれている

大変な状況を聞くと非常に複雑な気持ちです。

 

彼のキャリアを聞いてみると日系企業のメーカーを数社

渡り歩いてきたのですが、最後に属した会社はまったく違う業種で、

再就職するには年齢(50歳代)ももちろんですが、このキャリアに

一貫性がないことも大きなネックとなっています。

 

「何故、まったく違う業種にいったのか」と聞いてみると、

「仕事をしないと食べていけなくなるし、社会との乖離が

怖かったから」とのこと。

 

職を失った時にじっくりと将来のためにより長期的なキャリアを

考えずに、目先の仕事に飛びついた結果ということなのです。

 

再就職支援のセミナーでも同じような境遇の方がたくさんおられます。

失業するとハローワークですぐに仕事を探し、再就職してまた失業してと

同じことの繰り返しをされる方々です。

 

職を失ったことは事実(現象)なので、変えようがありません。

重要なことは「なぜ自分は職を失ったのか」というその原因や理由を

自分でしっかりと検証できているかどうかです。

 

例えば、「自分はまさかリストラにあうとは思わなかった」

「今いる部署がじり貧になっていくのに転職や配置転換など手を打た

なかった」「自分が保有しているスキルが陳腐化しているのに強化

しなかった」など様々な理由があると思います。

 

しかし、一番の真因は「長期的なキャリアビジョンやキャリアビジョンの

実現に向けた知識・スキル・経験・人脈といったキャリア構築に欠かせない

取組が系統的・継続的にできていなかった」ということです。

 

目先の仕事やキャリアの積み上げでは、もはや時代の変化に対応できません。多くの企業でもスピードが早い変化に追いついていっていませんので、その企業内の仕事やキャリアアップしか見えない人は、いずれはリストラの対象になってしまう危険性があります。

 

キャリアも放置しておくと生活習慣病のようにどんどん悪化していきます。

突然の手遅れの事態に慌てないように本質的・普遍的なライフキャリア構築

に取組んでいかないと、同じキャリアの悩みや課題を繰り返すことに

なってしまうので十分気をつけましょう。